ニセコ号後方展望席乗車記録~ぴかーんと輝く羊蹄山


 毎年九月に運転されるニセコ号。札幌と函館を山線経由で結びます。少し古い車両が使用され懐古主義的な鉄道ファンに注目されるこの列車、今年は183系ノースレインボーが充当されました。先日引退が発表された車両です。バブル期に製造されたリゾート列車の最期の生き残りです。最前列、最後列は運転席の後ろから展望が利く造りになっています。当然ながら人気の席で発売と同時に売り切れるのは当たり前の席。一か月前の十時に駅に通いました。運転初日の分は最前列をお願いしていたのですが取れそうにありません。よくよく思い返してみたら真昼間に南に向かう列車、つまり太陽に向かって走る訳です。眩しいじゃないかと言う乗り鉄の勘が疼いてきました。そこで後方展望狙いに作戦変更。何日か挑戦して無事確保。8月10日の十時打ち、野獣の日の獣時打ちで仕留めました。

 他の座席はどれくらいの人気かと言うと十時打ちで敗れた時他の席には余裕がありました。然し半月後くらいに見て見るとほぼ満席。油断してました。結局帰りの指定券は通路を隔てた席しか取れませんでした。
 更に自由席まで人が押し寄せているという情報も入ってきます。札幌駅での並び列が凄い事になっている様子はTwitterで度々流されてきました。繁忙期の特急北海の再現でしょうか?そんな感じだし帰りはのんびりヨンマル旅とか281系乗り納めが良いとの結論に達しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

さて乗車当日。同行者も私も寝坊の常習犯なのでちゃんと乗れるか心配でしたが問題無かったです。指定席もあるし駅での撮影もままならないだろうから入線時刻くらいにホームへ。自由席の列は情報通りで撮影班も多数集結。そんな中耳みたいなライトが見えてきて堂々の入線。特に大きな混乱は無かったです。

 一か月待ち侘びた展望席の光景は素敵な眺めでした。よくよく見ると紫外線カットフィルムみたいなのが貼ってあります。雪の時期は眩しいですから北海道ならではの対策でしょうか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 列車は函館線を小樽方面へと走ります。この区間は複線電化で札幌と小樽を結ぶ都市間連絡の機能もあります。昨日写真を撮っていたのですが列車の本数の多さにメモリーカードの容量をかなり消費してしまいました。何本も擦れ違うので迫力ある眺めです。この区間は西に向かって進みます。直前まで失念していたのですが太陽を眺める事になるではないですか!だけどフィルムがあったお陰で眩しいとかそういうのは無かったです。張碓の海からやって来る紫外線はほぼカットです。

DSC_0077

 列車は小樽駅の大正ロマン溢れるホームを後にして非電化区間へ。架線が途切れる瞬間は冒険の始まりのようです。と言いつつ車内でのんびり吞んでます。ここぞとばかり留萌線末端部(増毛線)廃線の時に販売されていた国稀のお酒とカシオペアのメゾネットスイート乗車時に呑みきれずに持ち帰ったウイスキーで乾杯。国稀は劣化が心配でしたがなんのその甘ったるく芳醇な味わいになっていました。ロックが似合います。ウィスキーもロックで。気分はかつて存在した寝台列車の展望席さながら。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 山線の通称はその名に恥じない山岳路線。緑の中を一本の鉄路が細々と続いています。札樽区間とは大違い。時々H100系とすれ違います。廃線の方針が固まった路線の割には列車が走っているなと言う印象です。写真の蘭島駅は海水浴場で有名な所です。一山超えて来た感がありますね。そしてまだまだ日本海側なのでこれからが本番です。列車はエンジンのうなりを上げて坂を上って行きます。気動車だから良いものの蒸気機関車時代は重労働だったでしょう。

 車窓には羊蹄山が見えてきます。この路線の名物ですね。雲一つない空に蝦夷富士の美しいシルエットがはっきりと浮かびます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
DSC_0073

 倶知安、ニセコとリゾート地を巡り一路長万部へ。ここからがノンストップ。すれ違い列車が無いのです。流石廃線決定区間です。それどころか駅もほとんどない。気が付けば通過駅はあと二駅。時間はたっぷり。未開の原野を開拓するために敷かれた線路と言っても疑いませんね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 海辺の街長万部に到着。ここで長時間の停車があります。跨線橋の階段の陰から視線を感じると思ったら「まんべくん」ではないですか。変な待ち構え方だな。
 ホームに降りました。視界がずっと広く感じます。山線区間を抜けて来ただけあります。

 隣のホームには281系北斗号が入線。こちらの車両も余命僅かなので注目の的です。ノースレインボーと並ぶ機会ももう僅か。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Ad


 列車はまんべくん達に見送られながら一路函館を目指します。蒸気機関車が行き交った非電化複線区間。架線柱が無く開けた感じが鉄の男らしい風景ですね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 なんと海を隔てて羊蹄山が見えるではありませんか。幾度となく通っている区間ですが新しい発見です。ここまで綺麗に見える事も珍しいのでは?

 所々単線区間もあるので信号所が点在する区間でもあります。かつては駅に昇格されたものもあったのですが原野の真中故に利用者も少なく廃止になって行きました。北豊津、鷲ノ巣といった駅に思いをはせて眺めていましたが待合所の痕跡は無かったです。残念。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 森駅からは駒ヶ岳の麓をグネグネと進みます。方向を変えて見える山です。この山は側面でも後方展望でも前面展望でも楽しめます。明らかにエンジン音が変わり勾配のきつさが伝わってきます。大沼越しの駒ケ岳もはっきりと見えました。

 列車はようやく港町に入り終着駅へ。長かった。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Ad



 その後ですが。。。
 まずはノースレインボーをお見送り。満員の乗客を乗せて軽やかに発車して行きました。

 その後は道南いさりび鉄道に乗り鉄に乗りに行こうという事になりました。昼食を調達しにラッキーピエロに行くも行列が出来ていたので断念。長万部辺りで電話しておけば良かったです。。。代わりにハセガワストアでやきとり弁当を調達。これも旨いんだよね。

DSC_0086

 駅に戻ってから知ったのですが道南いさりび鉄道には乗り放題切符があるらしいです。なんと700円。木古内までの片道が990円なのでとてもお得。普通に買うのがあほらしくなるお値段。函館駅周辺ではJRインのフロントで取り扱っているそうです。しかし、そちらに列が出来ていて、列車の発車時刻も迫っています。次の一本を逃したら帰って来れなくなるローカル線ダイヤなので。

 結局連絡船を眺める事にしました。いさりび鉄道はまたの機会に。こういう限界まで乗らない日も良いものです。

 帰りは北斗19号の1号車普通車指定席。261系は一号車がグリーン車なので消滅する席です。夕日に染まる渡島大野の真っただ中を一路札幌へと向かいました。
Ad


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。