日本一のカープ駅で駅寝 舟遊5月の九州旅

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と言う訳でこの日の宿は油津駅に決まった。終列車迄まだ時間がある。ぼんやりと過ごそう。ワインでも飲みながら。
 長椅子に小学校のロッカーみたいなものもあり設備は完璧だ。食糧もしっかりある。

 本数は少ないが乗客はそれなりにいる。列車によっては十数人程の降車があった。駅前もロータリイが整備されモニュメントもある。それだけお金が掛けられる訳だ。そして外観が凄かった。駅前に立って見て判ったのだが真っ赤なのだ。そして広島カープのロゴが描かれているのだ。何故宮崎県なのに。その答えは看板にあった。キャンプ地になっているのだ。そこで地元との交流があり「日本一のカープ駅」となっている訳だ。成程。駅の前には埴輪なんかもあったりして思い思いに飾り付けされている駅である。

 小雨が降り続いているので駅舎に戻った。この場所で列車を眺めながら音を聴きワインを飲む。最高ではないか。
 やがて最終列車も行って了っていよいよ夜の時間である。寝袋を広げればもう完璧、な筈だった。こんな時間に地元民登場。しかも三毛猫を連れている。ロープをつけて犬みたいだ。一体駅に何の用だろうか。散歩くらいならすぐ帰るだろうか。そうしたら改札内、とは言え無人の時間帯のなのでそのまま入って行き柱にロープを縛りそのまま出て行った。猫がしきりにニャーニャー鳴いている。飼い主様が恋しいようだ。そして一向に帰って来ないものだから猫が可哀想になってきた。こんな可愛らしい子を放っておいて何事か。表に居るらしい気配はあるのだ。様子を見に行ってみた。自転車置場で何かガサゴソやっておられる。どうやら鍵の不具合らしい。これは仕方がない。

 代わりに私が猫と遊んでやったのか私が遊んで貰ったのか。大人しく人懐っこい猫だ。そうしていると列車が入って来た。これは吃驚。そして停車し照明も落とされた。どうやらこの駅で留置らしい。駅寝について何も言われなければ良いのだが。
 運転手さんはそのまま併設の詰め所へ入って行った。特に気にしていないようである。これで一安心。そしておじさんも戻って来た。猫も嬉しそうである。自転車の前の籠に乗せて貰ってご満悦のようである。紐で半ば固定されているとはいえ大人しいものだ。飼い主のおじさんは見るからに風変わりな人である。飲み屋で歌を歌ってるのだとか。芸術家と言われれば確かにそうかもしれない。過去にはホームレスをしていたこともあるのだとか。面白い人だ。

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 おじさんと猫が帰っていくと漸く静寂が訪れた。運転士さんも見回りに来ない。駅寝できそうで一安心。さて寝よう。寝袋に潜り込んだら木の暖かみが伝わって来た。
 そうは言っても矢張夜半で目が覚めて了った。ホームの方を見ると車両が増えているではないか。あの後やって来たものが留置されているようだ。

 未明に起きて見ると一編成はエンジンを吹かしていた。この駅始発の列車は無いのでこれから回送するのであろう。それにしても何故この駅で留置なのだろうか。
 するともう一編成も動き出すであろう。もう一寝入りするには時間が無い。運転手の気配がない今のうちに寝袋を片付けた。そうしているうちに運転手がやって来て車両に乗り込んで行った。何か色々と点検をしている。そして暫く待機。随分余裕を持った行動である。昨日からの雨がまたパラパラと降って来た。小雨なので何とか我慢出来そうだ。早くして貰えると有り難い。
 漸くモーターが鳴り響いた。自動車のそれより一回り低い音でどっしりエンジンがかかった。いつのもキハだがスターターの音は初めて聴いた。車庫に潜入できたような達成感だ。
 やがて二編成は各々の始発駅へと旅立っていった。もう少し寛ぐか。木のベンチに戻った。
 やがて学生達が集まって来るともう始発の時間だ。私も立ち上がりホームへ向かった。少々混み合った朝ぼらけの汽車がやって来た。 

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