大阪行きひだ36号乗車記 新垂井経由カタワレ時

 ここから先、ひだ号が通過するのは日に一往復の区間である。待ってました。見慣れた道をディーゼルエンジンの音と共に駆けて行くのはまた格別だ。
 最初の停車駅は大垣である。スーツ姿の人がちらほら待っている。成る程、この辺りは新幹線のルートから外れている。大阪迄行くとなると米原駅で乗り換えだろうか。本数が少ないし面倒だ。普通列車で行くには時間が掛かり過ぎる。そこでこの列車が便利という訳か。ビジネス特急の性格もあるようだ。
 ここからがお待ちかね、新垂井駅跡経由の下り本線である。大垣を発車し間もなくして立体交差して了えばもう完璧。単線に見える線路が一直線に延びている。これから秘境に向かって行くようだ。辺りは一面田んぼでこれが東海道線なのだろうか。そんなことを考えていたらトンネル、秘境への入口だ。そこを抜けると山の中に逆戻りして了ったようである。緑の真只中を駆け抜けて行く。そしてまたトンネル。細々としたトンネルの連続だ。大きさも単線サイズであり、旧さを感じる。トンネルの入り口と対面できるのも前面展望ならではである。
 さて、新垂井駅跡はというとわずかにそれらしきコンクリートが残っていた他は何も無い。そのコンクリートが遺構だったか怪しい。辺りはもし駅が廃駅にならず残っていたら立派な秘境駅になっていただろう。そんな感じだ。
 森を抜けたら思い出す。18きっぷの旅の途中見えるすらりと延びる一筋の線路の事を。そこを今走っているのだ。そして通常のルートとの合流も近い。再び立体交差しいつもの光景だ。
 関ケ原駅を通過しても田舎道は続く。柏原や長岡のすがすがしい一本道。日も傾きかけているのが解る。どんな夕景になるのだろうか。
 米原駅で乗務員が交代。JR西日本にJR東海ご自慢のワイドビュー特急が引き継がれる。これもまた不思議な光景だ。
 ここからは琵琶湖線の愛称がある線区だ。田んぼや中くらいの町の向こうは広い湖である。高い山は遠く小さい。

太陽は地平線へと沈む。すると空が一面赤く染まった。ひだ号の走る高山線ではこうはならないであろう。この車両にしては珍しい一時だ。日は沈んでも残光が長く長く残る開けた土地の夕陽である。エンジン音は正しく継ぎ目の少ないレールの上をサーと滑って行く。只々サーと滑って行く。
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映画」「君の名は。」のワンシーンのようである。そして手元に瓶子がある。カメラもある。撮るしかない。「カタワレ時」の空をバックにした聖地の酒は神秘的で愛おしい。
だが、この時間は何時までも続かない。京都に着く頃には夜の闇が下りていた。こうしてのんびり出来るのもあと少し。
大阪駅に着いた。長旅の終わりである。大阪環状線の国鉄型との組み合わせが新鮮だ。

さて、大阪に着いたら急いで行かなくてはならない処がある。撮影もそこそこに地下鉄御堂筋線に乗り込んだ。心斎橋まで一直線。この時大阪に「君の名は。」カフェが巡回していた。ドリンクのラストオーダーにギリギリ間に合った。巡礼後の至福の一時。

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