平成最後のダイヤ改正、北海道廃止駅駅寝旅~2嗚呼上厚内駅。そして尺別着

池田と言えば一昨年、上厚内駅に向かう途中もうひと踏ん張りという事でラーメンを取り込んだ町である。ここから先は駅数は少ないが時間がたっぷりある。無人地帯と化した区間である。上厚内駅が無くなった区間はどのような感じであろうか。
 新吉野、浦幌迄は他に乗客がちらほら居り村の重要な交通機関として機能しているようだ。然しここから先は村すら無い。信号所が駅になり損なった山間部である。あの姫川や鷲ノ巣等でさえ一時期は駅だったのだ。そう考えると秘境駅好きとしては一度訪れてみたくもある。
 そして、この区間こそ一番気掛かりな区間でもある。二年前に上厚内駅があった処だ。歴史が黒く染みついた駅舎は残念ながら取り壊されて了ったと聞く。然しながらほんの少しでも駅の思い出を感じることは出来やしないだろうか。窓枠に縋る思いで進行方向左側を見つめていた。
 只々深い森の中へと入って行く。エンジンが軽油を焚きながらレールを一本一本登って行く。時折細く深い川が見えるとあの駅に帰って来た事を実感させられる。所々に民家が見える。あれは廃屋だろうか、それとも未だ人が住んでいるのだろうか。それすらも判らない。そしてまた白い木々の間を走っている。その時ポーンと不意打ちを食らった。「間もなく厚内・・・・」。嗚呼、どうやら駅跡を認める事が出来なかったようだ。あの時の村が上厚内であったのだろうか。何か違う。どうしてか記憶と結び付かない。

 厚内駅は列車交換可能駅ということもあり広々とした構内である。駅舎も立派だ。この次が直別駅、更にその次が尺別駅。この二駅が春が来たら廃止となる。厚内駅の周りは二年かけて滅法寂しくなった。まるで石北線の白滝のようだ。

 矢張り駅間は長く随分遠くに来たものだ。そして見えたものはとんがり屋根のログハウス、直別駅だ。このようなペンション風の駅(=別荘)が無くなって了うのは旅から安らぎを失って了うようなものだ。こう考えているうちに発車。ここへは復路で訪れよう。
 同じ「別」の字が付く駅名であり兄弟のような感じを受けるが二つの駅は相当離れている。漸く尺別駅である。最早日は暮れかかっている。駅舎は昭和のものが残っているのであろう。割と立派である。どうせなら乗って来た列車が走り去っていくのを見届けてから駅舎へ向かおう。ところがなかなか発車しない。列車の交換を行うようだ。然し、当の交換予定列車がなかなか走って来ない。千歳線の運転見合わせの影響でダイヤが乱れているのだ」。だいぶ遠くまで来た積もりであるがレールは一本で繋がれ、そこを列車は一体となって動いている。 

 反対の特急列車がやれやれという顔でやって来た。大変なのはお互い様である。スーパーおおぞら号は脇目も触れず走り去って行った。彼にとって旅は始まったばかりである。残された普通列車は青信号を認めると一息ついた。そして銀色のどこまでも続く道へと歩みを進めた。見えなくなる迄見ていよう。すると列車は大きく曲がり正面の山に沿っていつまでもいつまでも見え続ける。辺りは一面雪原で遠くに海鳴りが響いている。だいぶ遠い海であるが隔てるものが無いのだ。こうして見ると、駅舎も随分小さく見える。これは一日目にして物凄い秘境駅に来て了った。跨線橋の上から辺りの気を感じる。只々地球であった。
広告



にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

シェア、拡散歓迎です!宜しくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA