平成最後のダイヤ改正、北海道廃止駅駅寝旅~3尺別駅は風の駅だね

 駅舎の中は広い。椅子も沢山あり十人程度座る事が出来る。田舎の駅では多い方だ。それにしても且てはそれだけ需要があったということか。
 外は若干であるが風があって肌寒い。粉雪まで降って来ている。濡れて了っては寒い。だからさっと撮影だけ済ませた。待合室の隣は元々事務所だったらしい。除雪作業の詰め所としては使っているのだろうか?海の方を向いてみたが海は見えない。暗い所為だろうか。それとも海の音は気の所為で風が唸ってるだけであろうか。

 再び駅舎に入るとほんのりと暖かみが感じられた。外の環境の影響もあるのだろう。そして木の暖かみもあるであろう。北国に於いて風雪をしのげる事はどれだけ有難いか。無人駅になって久しいのでストオヴは無いがほっと一息つけた。
 壁にはどなたが作って下さったか駅や地域の歴史に関する資料が展示されていた。この駅からは炭鉱に至る私鉄が分岐していたそうだ。そして此処から国鉄線に入り港迄石炭を運ぶ。人家や神社が沢山あったのはその私鉄に乗り換えて辿り着く炭鉱の周りのようだ。買い物や通学での乗り換えの需要が多かったらしい。そして国のエネルギー政策の転換の影響で閉山。働いていた人々は方々に散って了った。私鉄線はとっくの昔に廃止され跡形も無い。街そのものが空っ風になって了い駅だけがぽつんと佇んでいる訳だ。

 突然、音楽がかかった。夕暮れを知らせる防災無線の音である。物寂しい短調のメロディーがこの風景をよく表している。空はとくとくと暗くなり物寂しさだけが残る。それにしてもこの無線も無人地帯にも関わらず来る日も来る日もメロディーを奏でていられると感心する。子どもの帰宅を促す本来の役割は無くこうして秘境駅の雰囲気を醸し出す為だけに立っているようだ。この秘境駅にすら人が来ている保障は無い。

 列車がやって来る時間になった。駅が無いと交換できる場所も限られる。風も収まっていたし少々早めの時間に外へ出た。矢張り遅れているようだ。気長に待とう。幽かにレールの音が聞こえる。そして車内灯の暖かな光が雪原を照らし始める。ホームの上の警報機も鳴っている。鉄道マニアとしては楽しい時間の始まりだ。キハ40がエアーを吐いて息をつく一昔前のおおらかな光景がそこにはある。そして山の向こうへと去って行く結局誰も降りて来ない。
 こういう無人駅の楽しみの一つに駅ノートの閲覧がある。この駅にも連絡袋が在った。ウキウキして手に取った。落胆した。中身が無いのである。増毛線の時もそうであったがこうして廃止が近付くと駅ノートを盗みたがるマニアが生息しているようだ。さてと、一夜をどう過ごそうか。仕方が無いので補充して置いた。今頃どれだけ位賑わっているだろうか。

 次にやって来る列車は貨物列車のようだ。外に出て行かず観賞しよう。こうして待合室でゆっくり眺めるのも乙なものだ。唸る赤熊、DF200とそれに引かれたコンテナが悠々と、堂々と駆けて行く。北の大地らしい光景だ。
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