夕張支線中間4駅全駅寝ファイル1南清水沢

夕張は近くて遠い。そう感じて了う。今回、エアアジアで中部空港を12時半ごろ発ち14時半頃新千歳空港に到着。それから約3時間待ち時間がある。17時半頃の普通列車に乗車し新夕張駅へ。更に乗り換える頃には日もとっぷり沈んで了っている。日が暮れて了うと時間の経過を感じるものだ。

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 夕張線の車両は2両。借別の思いが籠ったサボが固定されている。一日中この編成で往復していたのだろう。これからラストまで単調な日々であろうか。車内は矢張り空いている。暗い中ではどの路線でも同じようなものだと皆思ったのだろうか。逆に私が乗って来た列車が折り返し運転となるがそちらは席が埋まっている。
 終列車と言えど撮影者で賑わう新夕張駅を抜けるとひたすら夜の闇を谷間の街へと潜って行く。二駅目なのでそう遠くはない。駅間も一寸郊外に出た時の感覚だ。秘境区間ではない。

 程無くして南清水沢駅に着いた。見た感じ普通の駅だ。通り掛かった時に特に印象に残らない筈だ。然し駅の中、否扉から個性が滲み出ていた。ジャニーズファン達が持っていそうなうちわが鉄道ファン達を出迎えてくれた。そして駅舎内は写真で一杯だ。名物駅長が居ると噂に聞いていたが、これを見て翌朝が余計に楽しみになって来た。
 列車が折り返して来る迄時間があるのでホーマックとセイコーマートで買い物をした。商店があるという事はそれなりに利用者が居るという事だ。廃止は矢張り勿体ない。
 買い物から帰る時、目標である駅は矢張りさえない。ごくごく普通の沿線の小駅だ。元々はそんな駅だったものを有名な噂の駅に育て上げたのだから大したものだ。
 ベンチのそばに机が在る。これは丁度良い。こういう所にあたたかみを感じる。終列車がやって来た。色違いの二両編成。なかなか見応えがある。

 一休みも出来たところで駅の撮影へ。19時台の終列車は早い。その分電灯が消えるのも早いかも知れない。早めに撮っておこう。
 駅裏に回ると「4月1日から使用」と書かれたバス停も控えており廃線の足音が伝わって来る。こちらの小振りなスーパーも営業しているだろうか。
 撮影しやすい場所の雪は固まっていて訪れる人の多さを物語っている。事務室の窓には電飾が施され愛らしい。
 駅に戻って一息つく。車の往来は割と多い。駅前を素通りして行く。秘境駅ではないが物寂しい思いになる。
 早い終列車から二時間程経っているのに未だ電灯は消えない。節電しようという意識は無いのか。消えるのを待っていては寝られそうにない。寝袋で光をさえぎろう。

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 深夜に目が覚めて了った。灯りは消えている。消灯後の駅舎の様子も撮影しよう。風は穏やかで生ぬるい。これは二月の初田牛の経験から来る感想で実際は氷点を下っていたと思われる。慣れというものは恐ろしい。消灯前と同じような構図で撮る。コンクリートの白々しさが浮かび上がった。事務所の電飾は別の電源のようで付きっぱなしだ。
 翌朝、蒼くなっていた事に気が付き起きた。夜が明けるのも早くなったものだ。空気中の水分が霧になって了う程寒い朝であった。

 さて、この路線は始発もゆっくりと来る。そのだいぶ前に窓口が開く。六時になった。駅長さん、もうそろそろ来ても良い筈だが来ない。簡易委託なのであまりその辺は厳しくないのかもしれない。もしかして臨時休業か?
 意味も無くホームを歩いていると男性の方がやって来て事務室の鍵を開け始めた。噂とは違うが人当たりの良い雰囲気の方だ。噂の駅長さんは本日はお休みだろうか。暫くして地元の方がやって来た。事務室内で語り合っているのを見ると愛されてる駅だと実感する。
 霧の向こうから汽笛がこだまする。駅寝の最大の利点は札幌からの接続が無い便にも乗れる事。廃止間際にも関わらず空いている。蒼い霧に滲み出る列車の灯りは幻想的であった。

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