平成最後のダイヤ改正、北海道廃止駅駅寝旅~22フライト前の夕張散歩

 ここもまたゴツい駅だ。新夕張駅も山間に作られた駅である。ホームからは立派なトンネルも見える。大動脈のど真ん中に居るのだ。ホームから待合室へ至る通路は近江塩津駅みたいなコンクリートの無骨さを感じる。
 この駅は廃止される支線の分岐駅だ。夕張への玄関口らしく待合室も大きく窓口もある。駅前には道の駅も見える。
 駅前のバスターミナルは噂通り広く整備されている。そしてその一角には「紅葉山」と書かれた駅名版が遺されている。夕張線の一駅から幹線の主要駅、それから支線廃止後のバスターミナル。交通の移り変わりが見て取れる。

 夕張支線のどの駅で降りようか。単純な往復ならば以前もやった事がある。どの駅か適当に降りてみよう。一番近いので運賃も安く折り返すまでの時間が長い沼ノ沢駅にした。
 単行のキハ40はこのホームには小さ過ぎる。長い特急列車や貨物列車が行き交う中でさぞ心細いであろう。新夕張駅からは地元の方々が5、6人乗車。紅葉山駅は健在だ。これで廃線になるのだからあの留萌線の増毛迄が最近まで残っていた事に驚く。それ位まだ町なのだ。
 ボックス席には千歳方面からの鉄道オタク達が一人一区画占領していた。地元の方々はロングシートに腰を掛けた。誤解のないように言っておくと鉄道オタク達のマナーは悪い訳でなく後から乗って来た者は居心地が良いだけなのだろう。
 ひょろりと伸びた単線の線路をガタンゴトンと進んで行く。直ぐに木々が迫り谷の中へと入って行くのを感じた。そして程無くして沼ノ沢駅に着いた。コンクリートのホームに普通のローカル線の大きさの駅舎だ。中に入ると人は居ないがローカル線の暖かな空気が流れていた。手入れが行き届いており色とりどりの座布団まである。広過ぎないので空洞が無い。

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 駅舎の外観は喫茶店風。田舎の駅によくありそうな店舗併設型の駅。なかなか立派で廃線前とは思えない。

 折り返し列車までの滞在という制約があるので駅の観察も程々に周囲の散策をしてみる。平屋建ての長屋が連なっている。明らかに「日本の田舎」とは異なる。最盛期は東京のアパートみたい、否それ以上に生活感があったのではないだろうか。

 そこを抜けたら風景が一変する。広大な大地にポツンと一軒。農地だなあ。という事はこの辺りの産業は農業なのだろうか。ではあの長屋は一体何であろう。
 空が夕張メロン色に染まっている。甘そうなオレンジ色だ。道の先はまだまだ続きそうだ。丁度滞在時間の半分が経過。雪が無くなれば遠くに行けるのかなと思い今回は引き返した。振り返れば一面暖色だ。そして遠くに飛行機雲も見える。数秒浸れるだけで幸せ。さあ列車に間に合わせなければ。

 帰りは一寸ルートを変えてみた。長屋が整然と並んでいるだけであろうから迷う事は無いであろう。田舎でよく見る移動スーパーが停まっている。最早住んでいる人の数も田舎と同じくらいなのだろうか。火の見櫓がひょうと立っているのは哀愁を感じる。

 少々駆け足になって了ったが発車五分くらい前に駅に到着。地元の方の利用もあるようだ。駅ノートに記帳してからホームへ。また訪れたい駅である。駅を暫く見つめていたがまたすぐに木々の迫る谷間に沈んで行って了った。ゆっくりと客室内に入ると如何にもそのまま折り返してきたなという感じだ。私はぼさっとロングシートに腰を降ろした。

 その後はボックス席が空いたのでそちらに移って随分深く眠っていたように思える。気が付けば千歳線の構造物が見え合流。南千歳駅に着いた。空港行きの快速エアポートがすぐ向かいに停まりよくできた接続だなと感心する。

 飛行機迄時間があるので一服。「まちむら」といえば北斗星号やカシオペア号での車内販売のアイスでお馴染みだ。懐かしくなってついつい購入。これはあっさりしていて冷たくて美味しかった。
 これにより今年の廃止駅駅寝旅も無事終了。

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