新海さんは「ポスト寺山」「アニメの寺山修司」 「天気の子」考察&レビュー其の二

「家出」と「線路のダッシュ」は寺山修司が映画作品の中で何度も用いたネタです。人力飛行機プロダクションのお家芸とも言えるのです。新海監督の過去作でも修司ネタが見られます。「雲のむこう、約束の場所」では特に修司ネタを多用しています。
・飛行機を作って飛んで行こうという発想が人力飛行機と同じ
・われに五月をの様に少年時代が失われた喪失感と5月の風の中で新たに歩みだそうとする様子が描かれています
・最後に優雅に飛んでいるヴェラシーラは「5月の鷹」を思わせます
・変形させた理由は鷹が羽搏いたり滑空したりする様子を再現するためでは?
・ひろきが好きなさゆりが死んだようになくなり新たに目を醒ます様子は 寺山修司五月の詩を思わせます
・舞台が修司の故郷青森
 長くなりましたが私が気づいた点は以上です

「君の名は。」でも
・スマホの日記が消えるのは修司の「消しゴム」のように記憶の忘却を表す。
・「名前は!?」と叫ぶ箇所が「書を捨てよ町へ出よう」の冒頭っぽい。

 そして修司も新宿を好んで作品の舞台にしています。
なんといっても修司の創作の範囲は広く数も膨大なため私もまだそのほんの一部しか触れられていません。他にも探せば見つかりそうです。


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 さてようやく天気のこの話になります予告(予報)を見ただけで如何にもという感じでした。線路を雲に向かって走っていくカットを見ていると「人力人力人力・・・人力飛行機!」という叫び声が聞こえてきそうです。

・線路走り
 書を捨てよ町へ出ようでは普通に都電の線路を走っています都心で線路を走ると言えばこれでしょうまた田園に死すでも田舎から出て行こうとして線路を走ります
・家出
 修司は家出に憧れていました。「家出のすすめ」なんていう著書もあります。夏休みの読書感想文で題材にしたら勇者になれるような内容です。いかがでしょうか?映画「書を捨てよ町へ出よう」や「田園に死す」の主人公も家出をしたい、家族との関係を断ちたい人達ですね。「天気の子」を見ていましょう。帆高は言うまでもなく家出少年です。陽菜も家出するのですね。帆高に連れられて帰ってきた時チョーカーが壊れます。青い石は元々母のブレスレットに付いていたものです。母の形見です。だからそれが壊れるのは母親、家との何らかの関係が絶たれることを表しているのではないでしょうか。
・田舎から飛んでいく夢
 「書を捨てよ町へ出よう」で田んぼの真ん中で人力飛行機で飛んで行こうとする夢と「天気の子」の離島で自転車を漕いで光の中に行こうとする夢この二つが似ていると思いませんか?都会が舞台の作品の合間に故郷から飛び出そうとする夢を挿入しているのです。
・音楽とのシンクロ
修司の作品も音楽と登場人物の心境をしっかりリンクさせています。新海作品もこの辺りはこだわっていますね。RADWIMPSの曲は画面に寄り添っています。
・小説の指マーク
 小ネタです。小説「天気の子」の113ページに出てくる指マークですが「田園に死す」に登場するマークに似ていますね。三沢市では文学碑への道しるべにも使われています。

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・実験映像
 寺山修司は実験的革新的な映像を作り続けた人です。「書を捨てよ、町へ出よう」を立ち見ても変わった視界の使い方やカメラワークが見られます 深海 監督はほしのこえをほぼ一人で作り上げた革命児でその後も輪郭線の処理や雨の表情などといったところで常に新しい手法に挑戦している人です。

 こうして見ると新海誠監督は「ポスト寺山」とか「アニメの寺山修司」とも言えるでしょう。
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アマゾンのリンク張っておきます。是非寺山ワールドもご堪能ください。





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